2021/12/06 ニュース

東京拘置所にマツダCX-8がなぜ!? 指揮官車として選ばれた理由

●東京拘置所(東京都葛飾区)にて

2021年12月2日、東京拘置所(東京都葛飾区)内で「法務省矯正局 特別機動警備隊 指揮官車」のお披露目式が行われた。クロスオーバーSUVのマツダCX-8をベースに架装した車両で、報道陣に初公開された。

■特別機動警備隊とは



特別機動警備隊は、2019年4月1日(平成最後の月)に創設。矯正施設(刑務所や拘置所、少年院など)において、暴動、逃走、天災事変等の保安上の緊急の措置を要する事態が発生した場合に迅速かつ的確に対処するため、新たに矯正局長直轄の特別機動警備隊が東京拘置所に常設された。英訳は「Special Security Readiness(準備)Team」で、略称は「SeRT(サート)」と呼ばれる。



拳銃訓練や三連梯子救助訓練など日頃から訓練を重ねているが、刑務所などの壁が倒壊したときに迅速に復旧するため、仮設塀設置訓練なども実施。コロナ禍における避難所設営・運営の訓練も行っている。

実際の活動としては、施設警備のほかに、令和元年(2019年)東日本台風被害による避難所開設(東京拘置所)や、同台風被害による災害復旧支援活動(千曲川が氾濫した長野県須坂市)を実施。2020年には矯正施設において新型コロナウィルス感染症拡大防止の対応、2021年7月には静岡県熱海市で発生した土石流災害の復旧支援活動(周辺警備や捜索活動)を行った。

■指揮官車が導入された理由


創設から3年目を迎え、特別機動警備隊の指揮官が乗る「指揮官車」が望まれるようになった。これまでは職員が乗る官用車で対応してきたが、より幅広い活動を行うようになり、赤色灯などを装備して緊急車両として使える指揮官専用車両が必要になったという。災害現場などでも機動力を発揮するように最低地上高の高いSUVタイプの4輪駆動車で、5〜7人乗り、国のグリーン購入法に則って、ハイブリッド車やクリーンディーゼル車であることを条件に入札を行ったという。

トヨタや三菱自動車による競争入札となったが、マツダがCX-8でエントリーし最低価格で落札した。CX-5ではなく、CX-8となったのは全長での要件があったようである。



特別機動警備隊 隊長の大内広道氏は「矯正施設で非常事態が発生した際におきましては、まず指揮官が現地にただちに赴くことが非常に重要になります。そのために現地に駆けつけて、このクルマで現地に赴いて各種の指揮をするときに使用する予定にしております。今回CX-8が納品されたことによりまして、指揮命令系統の明確化を多分に図りまして、事態収束を早期に図れるのではないかと思います」と話している。

ドライバーWeb編集部

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