2021/09/28 コラム

76年前に墜落した爆撃機B-29のタイヤが足立区の道端に…驚きの保存状態だった

●私有地に佇む爆撃機B-29のタイヤ

■足立区内に墜落した爆撃機B-29のタイヤ



第二次世界大戦終結から76年経った2021年、B-29のタイヤが現存していることを知った。情報源となった東京都足立区の区民報によると、区内で爆撃機に装着されていた当時のタイヤが見られるという。さっそく見に行くことにした。

B-29とは、当時アメリカ軍が使っていた爆撃機のことだ。爆撃機にはレシプロエンジンを使うのが通例だったが、あまり高い高度は酸素が不足するため飛行できなかった。その点、B-29はGE(ゼネラル・エレクトロニック)製のターボチャージャーを装着、過給によって酸素が薄い高度でも飛べた。当時爆撃機に対する地上からの応戦は、高射砲によって撃墜するのだが、B-29は高射砲が届かない空を自由に飛べたのだ。

戦局が悪化した終戦近くには、東京にB-29の大編隊があらわれ、焼夷(しょうい)弾を雨のように降らした…それが東京大空襲だ。焼夷弾の中身はガソリンのようによく燃えるナフサをゲル状にしたもので、無差別に東京の街を焼きつくし、死者は10万人以上と伝えられている。

東京をはじめ日本各地を空襲した大型爆撃機B-29。その弱点は、B-29の特徴でもあったターボによる過給だったともいわれ、エンジントラブルをよく起こすことでも知られていた。終戦間近1945年5月26日、足立区内にB-29墜落と公式記録が残っているという。これがエンジントラブルなのか撃墜によるものかははっきりしないが、搭乗員は全員死亡したらしい。墜落機のプロペラは一時、入谷南中学校に保存され、現在は足立区立郷土博物館が所蔵している。

ドライバーWeb編集部

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