2021/07/17 新車

GR86/BRZ 新型試乗…「構造」を変えてまで生み出したかった「走りの違い」とは

試乗の舞台は千葉県のサーキット、袖ヶ浦フォレストレースウェイ


剛性アップ、軽量化も追求…タイヤはミシュラン



車重は増えた分を軽量化で相殺し、プラスマイナスゼロの先代キープ。0→100km/h加速のメーカー値は、先代後期型の7.5秒から6.3秒に短縮している。ちなみに、BRZで公表されたWLTCモード燃費は同等かわずかに低下。しかし、開発担当者によれば、最終減速比のハイギヤ化とトルクアップによるエンジン回転抑制によって、実用燃費も新型が確実にいいという。



シャシーもこの速さを受け止めて余りあるレベルアップを遂げている。土台となるボディは、スバルグローバルプラットフォームの知見やインナーフレーム構造の採用などで、フロント横曲げ剛性が60%、ねじり剛性は50%それぞれアップ。これだけでもポテンシャルの大幅な向上がわかろうというものだ。

18インチタイヤは乗り心地でも定評のあるハイグリップなミシュラン パイロットスポーツ4(17インチのプライマシーHPと同じく、専用開発でない“こだわりの”アフター品)。サスペンションもそれに見合ったロール剛性を備えるが、ストロークは17インチの先代を上まわるしなやかさだ。


●18インチタイヤ


●17インチタイヤ

コンソールスイッチには、サーキット走行用のトラックモードを踏襲。オンでは横滑り防止装置(名称はトヨタがVSC、スバルはVDC)の介入タイミングを遅らせ、ある程度のテールスライドを許容する。その状態でも4輪の接地感は抜群だ。矛盾した表現だが、限界を超えても安定感が高い。挙動変化に唐突なところがまるでなく、積極的なコントロールを不安なく試すことができる。先代よりフットワークの懐がグッと深くなり、一体感がいっそう増しているのだ。

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING