2021/06/05 コラム

引越しでナンバープレート交換しなきゃ…に特例措置!でも利用できる人は限られるかも

●引越しすると各種手続きが面倒だが

コロナ禍でテレワークが広がりを見せているが、人事異動などで引越しを余儀なくされる人もいるだろう。そんなとき面倒なのが各種の手続きだ。住民票の移動はもちろん、電気やガスなどのライフラインの手続き、各種保険の住所変更などで苦労することが多い。そこで政府は、引越しに伴う手続きの負担軽減を実現しようとしている(コロナワクチン接種が優先されると思うが…)。

その一環として、国土交通省もとある”特例措置”を2022年1月から行う予定だという。それは、引越し関連の手続きで後回しになりがちな、クルマのナンバープレートの交換。管轄する地域から引越した場合、新しい住所のナンバープレートに変えなければならず、従来は引越し後に変更することが求められていたが、特例措置では次の車検時まで交換が不要に。引越しで各種手続きが集中…その負担を軽減できるというわけだ。

ただし、この措置は個人がオンラインによって変更登録申請を行う場合に限られる。現在国交省は自動車の登録検査、保管場所証明、税・手数料納付をオンラインで一括して行える「自動車保有関係手続のワンストップ・サービス(OSS)」推進している。手間を1回で済ます制度のOSSを使えば、ナンバープレートの交換を次回の車検時まで猶予するというわけだ。といってもOSSにはマイナンバーカードとカードリーダーが必要なため、利用できる人は限られている。今年5月までのカード取得率はたった30%。カードリーダーまで持っている人はさらに限られるはずだ。

ナンバープレートを交換しないまま乗っていて事故などを起こした場合、保険の支払いなどに不安が残るが、じつはこの制度は交換のために陸運事務所などにクルマを持ち込まなくていいだけで、車検証は郵送で変更する予定になっている。現在の車検証を郵送すると、その備考欄に旧登録番号(旧ナンバープレート番号)が記載され、新しい登録番号の車検証が送られてくる。実車のナンバープレートは以前のままだが、車検証上の地域名と番号は新しくなっているというわけだ。

次の車検時までナンバープレートの交換が猶予されて手間は減るわけだが、自分で車検を通すユーザー車検をやっていないとあまりメリットを感じない。この特例措置を利用するかどうかは選択可能だが…どれほどのユーザーが利用するのだろうか。

〈文=丸山 誠〉

ドライバーWeb編集部

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