2021/01/18 カー用品

ニスモ魂全開!?の「マーチ ニスモS」を試乗!! プラスαのチューニングアイテムでMTで操る楽しさも高まる!|ワークスチューニンググループ合同試乗会|


 日産直系ワークスチューナーである「ニスモ(NISMO、ニッサン モータースポーツ インターナショナル)」。モータースポーツのDNAを注ぎ込んだ「ニスモロードカー」が市販され、ディーラーで手軽に購入できることから、「ニスモ」グレード指名買いというユーザーも多い。ニスモではモータースポーツシーンで得た知見やノウハウを投入した機能部品を開発し、市販モデルをさらにカスタマイズできるアイテムをリリース。今回はそれらを装着した痛快ホットハッチ「マーチ ニスモS」と「ノート ニスモS」をワークスチューニンググループ合同試乗会で試した!!
 
NISMO

NISMO
マーチ ニスモS

NISMO
マーチ ニスモS

パフォーマンスをさらに引き出す機能部品を装着


 
もっともリーズナブルなニスモロードカーであるのと同時に、マニュアルトランスミッション(MT)のホットハッチとしても希少なマーチ ニスモS。

NISMO
 
エンジンはマーチのラインアップで唯一の1.5L、ニスモS専用チューンのHR15DE型を搭載。単に排気量の大きいエンジンに積み替えただけ(基準車は1.2L)でなく、カムプロファイル、圧縮比、排気系、ECM(エンジンコントロールモジュール)の制御をファインチューン。各部に補強を施した1トン弱の軽量ボディに5速MTを組み合わせて「操る楽しさ」を追求している。

ワークスチューニングの合同試乗会にはマーチ ニスモSに加えて、1.6Lエンジンと5速MTを組み合わせたノート ニスモSも用意された。ノートのフルモデルチェンジにともない新車では購入できない(試乗会は新型ノートの発表前)ものの、「マニュアルトランスミッションのテンロクホットハッチ」という意味でとても貴重な存在。今から走行距離の少ない、程度良好の中古車を手に入れるのもアリだ。

NISMO ノートニスモS
ノート ニスモS
 
ニスモではロードカーのパフォーマンスをさらに引き出す機能系パーツを設定。ラインアップは吸排気、駆動系、足まわり、ブレーキまで多岐にわたるが、なかでも注目の新製品が、マーチ ニスモSとノート ニスモS向けの「スポーツリセッティング タイプ3」だ。

NISMO スポーツリセッティング TYPE3
マーチ ニスモS用 NISMO スポーツリセッティング TYPE-3
 
ニスモのスポーツリセッティングはタイプ1~3まであり、タイプ1はスピードリミッターの変更、タイプ2はリミッターの変更に加え、空燃比や点火時期などエンジンの各種制御のリセッティング、タイプ3はタイプ2に対してパフォーマンスアップを図った仕様となり、施工はニスモ大森ファクトリーと全国27カ所のニスモパフォーマンスセンターで行っている。
 
マーチとノートのタイプ3は吸気系の見直しがキモになる。マーチの純正サクションパイプ(吸入した空気をエアクリーナーに導くパイプ)は、エンジンルームの温かい空気を吸い込みやすいレイアウトで、タイプ3ではボディ前面からフレッシュな空気をダイレクトに取り込めるようにレイアウトを見直した。
 
パイプの素材も地味な黒樹脂から軽量かつ見た目がレーシーなドライカーボン製に改め、エンジンルームをドレスアップできる。
 
さらに、インテークマニホールドの手前にあり、吸入空気量を制御するスロットルチャンバーをノーマルのφ50mmからφ60mmに拡大し、より多くの空気を取り込めるようにした。
 
同時に、マーチはエアクリーナーのサイズが小さいので、容量の大きいE12型ノートの純正エアクリーナーボックスとエアクリーナーに交換(どちらもキットに含まれる)。
ちなみに、ノート ニスモSは純正のエアクリーナーをそのまま使用するので、タイプ3のキットにエアクリーナーは含まれない。
 
吸入空気量の増加に合わせてECMの制御を見直し、サーキットで多用する中間域のトルクと、高回転域でのパワー感を向上させた。

NISMO エンジンオイルクーラー
マーチ ニスモS用エンジンオイルクーラーキット



マーチ ニスモS 

NAエンジン+MTで操る楽しさを満喫できる

 
今回はその“走り”を確かめるためショートサーキットコース(ツインリンクもてぎ)で試乗。〝スポリセ3〞によって覚醒されたマーチ ニスモSは、アイドリング時からスポーツチタンマフラーから放たれる野太い排気音が印象的。
 
コースに入りアクセルを踏み込むと、豪快な吸気音とともにトップエンドまで突き抜けるように吹き上がる。特に、低~中回転域のトルクはノーマルのニスモSがもの足りなくなるほど充実していて、コーナーの立ち上がりで十分な加速力が得られる。

マーチ ニスモS
 
欧州車も含めてホットハッチの心臓は排気量を補うために過給器付きがトレンドだが、マーチとノートのニスモSはNA(自然吸気)のまま。パワーバンドを外さないようにシフトワークを駆使しながらエンジン回転数をキープする……ドライバーが主役になって操る楽しさを味わえるのはNAエンジンならでは。
 
ノート ニスモS

それにしても、2020年10月に開催された試乗会の時点でE12型ノートはモデル末期、K13型マーチもデビューから10年経った「超熟」モデルにも関わらず、スポーツリセッティングやエンジンオイルクーラーといった機能系の新製品をリリースするニスモの、ユーザーの期待を裏切らない積極果敢な姿勢には拍手を送りたい。
 
クルマの電動化が急速に進んでいるが、マーチとノートのニスモロードカーは「内燃機関をマニュアルミッションで操る楽しさ・奥深さ」を改めて教えてくれた。
 
ノート ニスモS
 
〈文=湯目由明 写真=山内潤也〉
 

ニスモ(ニッサン モータースポーツ インターナショナル)
https://www.nismo.co.jp/

ドライバーWeb編集部

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