2020/10/28 コラム

竹内涼真と天宮良が出演する三菱eKクロス スペースのCM舞台裏を妄想したら|木下隆之の初耳・地獄耳|

●三菱自動車公式HPより

三菱「eKクロス スペース」のポスターが気になってしかたがない。

竹内涼真と天宮良のイケメン俳優ふたりが親子の設定で、男どおしでアウトドアを楽しむというストーリーが描かれている。もはや2人は親子などではなく、まるで年の離れた親友かのようだ。いや、アクティブな父の背中を見つつ育ち、そんな父に憧れている。父である天宮良は愛する息子を微笑ましく見つめる。親子の友情が滲み出ているのだ。その傍にスーパートールワゴンの「ekクロス スペース」がある。

なるほど、見事なキャスティングだと手を打った。竹内涼真は今イチオシのイケメン俳優である。優しい顔つきから爽やかな印象が強い。それでいてスポーツ万能だという。一方の天宮良も、かつてはトレンディ俳優として一世を風靡したイケメンで、同様に運動神経抜群、アクティブな家族を演じるには相応しいタレントである。

だが、僕が手を打ったのはそこではない。竹内涼真の身長は185cmもある。そんな大きな男性でも余裕で乗り込めるっていうのが、長身のタレントを起用した狙いだろう。確かに「ekクロス スペース」の背は高い。全長は3395mm、全幅1475mm、それはもちろん軽自動車規定ギリギリまで攻めているのは想像の通りだが、全高は1800mmもある。

軽自動車枠は、全長3.4m以下、全幅1.75m以内、全高は2m以下と定められている。排気量は0.66リッター未満だ。軽自動車メーカーは精一杯スペースを稼ごうとするから、おのずと規定値ギリギリまで追い込もうとする。軽自動車のほとんどが、軽自動車枠ギリギリに横並びなのはそのせいである。とは言うものの、全高には余力があった。天地に伸び代が残れさていたのは、そんなに高くしたらコケちゃうからだろう。そこに目をつけたのが、最近主流になりつつあるスーパートールワゴンである。「eKクロス スペース」は全高が1800mmまで伸びたのである。

という流れから、長身イケメン俳優の竹内涼真を起用したのだろう。こんな長身の男性でも余裕っしょ、とアピールしたかったのだと想像する。実際に竹内涼真が傍でポーズをとっても、窮屈な感じがしない。

そしてさらに、天宮良がナイスなアシストをしている。天宮良は、じつは身長170cmなのだ。トレンディ俳優としては長身ではない。彼がいることで、より一層「eKクロス スペース」が大きく見えるのだ。

しかも、カメラマンの絶妙なアングル構成が渋い。2人のタレントの立ち位置を数ミリ単位でコントロールしているのように思える。短めの釣竿を積み込んだシーンがあったり、クルマに飛び乗るゴールデンリトリバーが、標準よりやや小型だったりと、気遣いの跡がうかがえるのである。

不肖この僕も、クルマのコマーシャル動画をディレクションする。舞台裏を想像すると、思わず笑みが溢れるのだ。

そんなねじ曲がった目線で、CMをご覧いただきたい。ただ単にカメラを回せばいいんじゃないってこと、わかってもらえるかもしれないね。

〈文=木下隆之〉

ドライバーWeb編集部

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