2020/09/24 旧車

買うなら今!? スープラ、GT-R、RX-7、カプチーノ…1980〜90年代のネオクラシックカーが相場が高騰|前編|

数多くのクルマが登場した1980〜90年代。その数だけネオクラシックカーがあるわけだが、ここでは代表的車種をセレクトして解説する。新車時の価格を上まわるプレミア付きのモデルも!? ※中古車相場は編集部調べです

ターボだけでなくNAに価格高騰の波が…
トヨタ スープラ(A80)



発売期間:1993〜2002年
発売当時価格:290万〜455万円
中古車相場:200万〜1000万円

BMW Z4とプラットフォームを共有する現行型の登場で、その価値が再評価されているのが、93年にデビューした先代A80。当初はゲトラグ社とトヨタが共同開発した6速MT+3Lツインターボの2JZ-GTEを搭載するRZ系に人気が集中したが、後のマイナーチェンジでNAのSZ-Rにも6速MTが採用され、ビルシュタインダンパーやスポーツABSと相まって抜群のコントロール性を発揮。現在の相場はターボ/NAを問わず高値をキープしている。


国内外で引くてあまたの、不動の人気車
日産 スカイラインGT-R(R32)



発売期間:1989〜94年
発売当時価格:445万円
中古車相場:250万〜1000万円

ケンメリ以来17年ぶりに復活した第2世代GT-R。グループAで勝つために500馬力オーバーを前提に開発された名機、RB26DETT型エンジンを筆頭に、基本はFRで必要に応じてフロント側にも駆動力を分配し、絶大なトラクション性能を発揮する電子制御のアテーサE-TSなど「技術の日産」にふさわしいハイテクでファンを魅了。もくろみどおりレースでも連戦連勝を収め、新たなGT-R伝説を築いた。最終型のVスペックⅡは価格応談のお宝車。


レストア前提として購入する覚悟を
トヨタ カローラレビン/スプリンタートレノ(AE86)



発売期間:1983〜87年
発売当時価格:106万〜156万3000円
中古車相場:110万〜450万円

漫画『頭文字D』で注目を集めたのは遠い昔。車名のカローラレビン/スプリンタートレノより、「ハチロク」の型式名で親しまれている。相変わらずの人気ぶりで、正直FRならではの操る楽しさを求めるなら現行型のトヨタ86の中古を狙ったほうが買い得感は高い。ただ、軽量ボディと軽やかに吹ける4A-G型エンジンを武器にドラテクを駆使して自在に操る醍醐味はハチロクならでは。まともに走るタマを見つけるのは至難の業!?


次期型Z登場予告で人気が再燃しそうな予感
日産 フェアレディZ(Z32)



発売期間:1989〜2000年
発売当時価格:330万〜440万円
中古車相場:50万〜440万円

数年前は需要が一巡して底値の状態だったが、じわりと相場が上昇しているZ32。すでに程度の悪いものは淘汰され、ターボ、NA、2シーター、2by2を問わずノーマルで走行距離の少ない良質車の価値が高まっている。モデルライフが長いわりにスタリングの変化が少ないのも特徴。アイコンの60度超スラントヘッドライトはガラス製だから樹脂のような黄ばみの心配が少ない。エンジン熱による補機類のダメージに注意したい。


最終の6型で走行距離の少ないタマは高値
マツダ RX-7(FD3S)



発売期間:1991〜2003年
発売当時価格:360万〜444万円
中古車相場:170万〜1000万円

FDのデビューは91年。バブル崩壊後とはいえ、ちょうどこの年にマツダが4ローターの787Bで悲願のル・マン初優勝をはたし、FD自体も運動性能のため無駄を削ぎ落としたスタリングや、フロントミッドに搭載された、超スムーズに吹き上がる13B型ロータリーエンジンがもたらす刺激たっぷりの走りでファンを虜にした。クルマの性格上、チューニング車や事故車が多いのはやむを得ないが、メンテナンスの行き届いたクルマを選びたい。


修復の程度やフレームの状態を見極めたい
スズキ カプチーノ



発売期間:1991〜98年
発売当時価格:145万8000円
中古車相場:30万〜240万円

軽三羽烏のうちの2台、AZ-1、ビートの駆動方式がMR(ミッドシップエンジン・リヤドライブ)なのに対し、カプチーノは軽では異例のFR(フロントエンジン・リヤドライブ)を採用することで、前後重量配分が51:49の理想的なバランスを実現できた。4輪ダブルウイッシュボーンやアルミパーツを用いた軽量ボディなど、あらゆる部分にこだわりが。95年のマイナーチェンジでF6AターボからオールアルミのK6Aに換装し、さらなる軽量化を実現。


タマ数は豊富でシンプルなメカは維持しやすい
マツダ ユーノス ロードスター(NA)



発売期間:1989〜98年
発売当時価格:170万円
中古車相場:30万〜310万円

ロードスターがNB→NC→NDと進化していく過程で、その原点となったNAのよさが見直され、メーカーみずからNA6を対象にした「レストアサービス」をスタートさせるなど、自動車史に残る名車を永久保存するための環境が整いつつある。1.6LのNA6と、93年のマイナーチェンジでエンジンが1.8Lに変更されたNA8は評価が分かれるところ。タマ数は豊富でメカニズムもシンプル。パーツの流用も効くのでこの年代のスポーツカーでは維持しやすい。


雪国で乗られたクルマが多いので腐食に注意
三菱 GTO



発売期間:1990〜2000年
発売当時価格:333万5000〜398万5000円
中古車相場:40万〜380万円

フロント荷重はじつにロードスター1台分! 1.7トンを超える車重をものともせず、3LV6ツインターボエンジンから湧き出る怒涛のトルクと、三菱自慢のハイテクデバイスを駆使して軽々と加速させる。96年のマイナーチェンジで18インチ化されたツインターボは高値だが、雰囲気を味わうならリーズナブルなNAのAT車でも十分。4WDゆえに雪国で乗られていたクルマも多いので、下まわりの腐食チェックは怠らずに。


操る楽しさと難しさを兼備したMRスポーツ
トヨタ MR2(AW10/11)



発売期間:1984〜89年
発売当時価格:139万5000〜189万4000円
中古車相場:70万〜360万円

ハチロクと同世代のライトウエイトスポーツで、同じ4A-G型エンジンを搭載するミッドシップ2シーター。懐の深いハチロクに対し、AW11のハンドリングはMRならではの気難しさがある。スーパーチャージャーのTバールーフは魅力的だが、パワフルゆえに事故車やボディ剛性の低下、雨漏りが懸念される。雰囲気重視ならノーマルルーフのNAで十分。年式的にはハチロクと同様に購入後のリフレッシュも視野に入れておきたい。


アメリカで「ちょい古」の日本車が大人気のワケ



製造から25年が経過したクルマについて、排ガスや安全性に関するテストが一部免除されるアメリカの「25年ルール」。これに該当するネオクラシックカーはスカイラインGT-RだとR33とR32、GTOやZ32、インテグラやシビックのタイプRも含まれる。この年代の国産スポーツカーは映画『ワイルド・スピード』の劇中車でもおなじみで、彼の地でも憧れの的。よって、程度のいい中古車がオークションで落札され、海外に流出し続けている。
ただでさえタマ不足なのに、海外でも引くてあまたとなれば相場が上がるのは必然。今後はS2000やRX-8、アルテッツァ、インプレッサGDB、Z33なども価格上昇が予想される。欲しいなら今のうちに手を売っておいたほうがいい。

〈文=湯目由明〉

ドライバーWeb編集部

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