2020/06/22 コラム

オービスでの取り締まり件数…大阪だけが1万件オーバーの不思議

■オービスの設置数が減っている

オービスは全国に何台? 取り締まりは何件? 都道府県別ではどうなってる? そのへん、興味あるでしょ。私はチョー興味ありあり(笑)。1996年分から警察庁に開示請求し、一覧表をゲットし続けてきた。

設置数のピークは2002年、全国に701台だった。その後どんどん減った。以下は最新の一覧表だ。


●警察庁交通局交通指導課作成の「固定式速度違反自動取締装置等の設置状況(令和元年度末)」。タイトルの頭に「固定式」の3文字が初めて加わった。また、かつて「設置数」だったり「現有数」だったりしたが、ここで初めて「整備数」という語が登場した。12月末ではなく年度末のデータになったのは2016年からだ

2019年度末、つまり2020年3月末現在の固定式オービスは全国に426台。ピーク時に比べるとだいぶ減った。都道府県別では警視庁(=東京)が最も多く51台。2位は北海道で47台、3位は大阪で45台。一方、1桁台の県がかなりある。青森、鳥取、高知、長崎、宮崎は各1台ぽっちだ。ばらつきが大きい。

■取り締まり件数も減っている…

取り締まり件数のピークは2000年、18万1758件だった。これも、その後どんどん減った。以下は最新の一覧表だ。


●警察庁交通局交通指導課作成の「固定式速度違反自動取締装置等による取締り件数(令和元年中」。こちらもタイトルの頭に「固定式」の3文字が初めて加わった

2019年は4万2454件。ひどい減り方だ。オービスの設置場所を報せるカーナビ、いわゆるレーダー探知機が普及、進化した影響がけっこうあるだろう。また、高齢運転者が増え、軽自動車が増え、全体にみんなスピードを出さなくなったようだ。

■大阪の取り締まり件数が異様

異様なのは大阪だ。大阪は1万3957件。全国合計のなんと約33%、3分の1を占めている。整備数と比較するとこうだ。

警視庁 51台   3432件
北海道 47台   5157件
大阪  45台   1万3957件
※左から設置数、取り締まり件数

大阪のオービスの取り締まり件数は尋常じゃない。いちばん考えられるのは、設定速度(それ以上の超過だと取り締まるという速度)を大阪はかなり低くしているのではないか、ということだ。「これぐらいのスピードならオービスは光らない」と思っていた大阪以外のドライバーが、大阪でさくっと捕まる、そんなことがけっこうあったりして。大阪のオービスには特にご注意を。

逆に、新潟(整備数は3台)、鳥取(同2台)、高知(同1台)、鹿児島(同2台)は取り締まりがゼロ。“開店休業”だ。

不可解なのが新潟だ。2018年は同じく3台で152件を取り締まっている。2019年、パタッとゼロになったのである。考えられる理由について言及すると長くなる。今はヤメとこう。

そんなことより、一覧表のタイトルの頭に今回初めて「固定式」の3文字が登場した。てぇことは、可搬式の一覧表もあるのか? おっしゃるとおり、あるのだ。今年初めてそれが開示された! 私はもう、うれしくて興奮しておしっこちびりそうになったね(笑)。可搬式オービスの、都道府県別の整備数と取り締まり件数、近いうちにご報告したい。

〈文=今井亮一〉

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