2020/02/17 コラム

雪道で優先するのはエンジンブレーキ? それともフットブレーキ?【昭和なドラテクを再考察】


ABSが普通の時代、雪道ではフットブレーキを優先



だけど、時代は平成を過ぎ令和に変わっている。平成ではABSが一気に普及。2012(平成24)年からはABSを含む横滑り防止装置の新車装備が順次義務化。ABSを装備していれば、タイヤのロックを自動的に防ぐ。いわば、そんな保険がかかっているからこそ穏やかなペダル操作を心がける余裕が得られるというもの。そして、万一の際にはペダルを強めに踏めばABSによりその路面で得られる最適な制動力と旋回力が確保できるから、危険回避の可能性も高くなるでしょ。


もっと重要なことは、フットブレーキはペダル操作により4輪の制動力が発揮されるということ。さらに、前後または左右の制動力配分を最適化するEBD(エレクトリック・ブレーキフォース・ディストリビューション)もABSの機能をアシスト。タイヤのロックが防げることが前提となれば、フットブレーキによる減速のほうがクルマをより以上に安定させやすいといえるよね。

エンジンブレーキについては、駆動輪でしか働かないことにもっと注目すべきだよ。FFなら前輪、FRなら後輪ということ。エンジンブレーキを使うのは減速時だから、特にFFの場合はリヤの荷重が減るのでクルマの安定性確保に影響が生じる。下り勾配ならなおさらだ。FRも荷重が減っているリヤでエンジンブレーキを効かせることになる。


その意味では、4WDはFFやFRと比べればエンジンブレーキが有効な場面は多い。それでも、前後にどう減速のための駆動力(ヘンないいかただけど)が配分されるかはシステムによって異なるし、そもそものエンジンブレーキの効き具合は前後重量配分ともかかわるからことも見逃さないでほしいんだ。

ドライバーWeb編集部

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